豆百科 Bean encyclopedia

豆と健康

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健康を作る豆の栄養素

炭水化物(糖質) Carbohydrate(sugar)

糖質は、植物の主要な構成要素であることから、人類は古くから食事の中で最大のエネルギー源として摂取してきました。豆は、人間の主要なエネルギー源である糖質を豊富に含んでいる食品の代表です。糖質の含有量は、小豆、いんげん豆、えんどう豆、そら豆とも50%を超えています。

タンパク質 Protein

体の最小単位である細胞は、水分以外はほとんどがタンパク質でできており、筋肉や皮膚、血液、内臓などを構成する主要成分となっています。このタンパク質は、いろいろな種類のアミノ酸が組み合わされてできています。
たとえば、白米はリジンという必須アミノ酸が基準値の65%しかありません。一方、小豆をはじめとする豆や大豆には、リジンが基準以上に含まれていますので、米と小豆の入っている赤飯を食べると、タンパク質の利用が高まります。

脂質 Lipid

脂質は、1g当たり約9kcalのエネルギーを発生することから、糖質とともに重要なエネルギー源となるほか、体のなかの貯蔵脂肪となってエネルギーを貯める役割があります。
糖質やタンパク質が多く、脂質の極めて少ない「豆」は、米と並んで日本型食生活を進めていく要の食品です。ただし大豆は、飽和脂肪酸は少ないものの、リノール酸が多く含まれているという特徴があります。先進諸国などでは脂質の摂り過ぎが健康上の大きな問題となっていますが、普通に食べていれば大丈夫です。

ビタミン Vitamin

ビタミンは、それぞれが不可欠な栄養素です。ごく微量でほかの栄養素の働きを助ける酵素や、酵素の働きを助ける補酵素の役割を担っています。

【ビタミンB1】
  • ビタミンB1は、糖質が吸収されてエネルギーに変わるときの補酵素の役割をします。
  • 小豆やいんげん豆などの豆や大豆・落花生から、かなりの量のビタミンB1が摂取できます。
【ビタミンB2】
  • ビタミンB2は、脂質のエネルギー転換を助けます。また、細胞や皮膚、髪、爪などの再生を助けます。
    また、ビタミンB2は、がんのもとになる過酸化脂質を分解し、その生成を防いでいます。
  • ビタミンB2の多く含まれている食品は、鶏卵や牛肉、豚肉などですが、豆にも大豆・落花生にもかなり含まれています。また、大豆は、納豆になるとビタミンB2がずっと増えます。
【ビタミンB6】
  • ビタミンB6は、タンパク質の分解を促進する役割があります。
    また、免疫機能を正常に保つためにも必要な栄養素です。
  • 豆や大豆・落花生には、比較的多くのビタミンB6があります。

ミネラル(無機質) Mineral(inorganic)

人の体は、体重の約95%が酸素、炭素、水素、窒素の4つの元素でできています。それ以外のものをミネラルまたは無機質といいます。
インスタント食品や加工食品の利用が増えてきた最近の日本人の体は、カルシウムやカリウム、鉄分が不足するとともに、ナトリウム(塩分)の過剰摂取などにより、数々の弊害が起こっています。これらの不足するミネラルを供給できる食品が、豆や大豆・落花生です。

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豆に含まれる機能性成分

食物繊維 Dietary fiber

食物繊維は、「人の消化酵素では消化されない、食品中の難消化成分の総体」と定義されています。
豆に多い不溶性食物繊維は、水に溶けず水を吸収して数倍にも膨れます。これが腸を刺激してぜん動運動を活発にするとともに、量が増えやわらかくなった便がスムーズに出ることから、便秘を予防。さらに、大腸の内の発がん物質の濃度を薄め、発がん物質が排泄される頻度が高まることから、大腸がんになる可能性が低下します。
また、水溶性食物繊維は、血中コレステロールの上昇を抑制し、動脈硬化を予防。研究者により、いんげん豆、えんどう豆、納豆などには、コレステロール抑制の効果があることが確認されています。

サポニン Saponin

小豆や大豆を茹でると泡が出ますが、この泡の成分がサポニンです。
サポニンは、糖とほかの物質が結合した配糖体と呼ばれるもののひとつですが、体の中では、動脈硬化のもととなる過酸化物質の生成を抑制し、総コレステロールや中性脂肪の生成を抑えます。

ポリフェノール Polyphenol

ポリフェノールは、植物の葉や花、茎などに多く含まれ、植物が光合成を行うときにできる糖質の一部が変化してできる物質の総称です。いろいろな色素として私たちの目を楽しませてくれています。この色素は、紫外線の照射によって発生する活性酸素から身を守るなど、多彩な機能を発揮しています。
豆を彩る代表的な色素としては、緑色の「クロロフィル(葉緑素)」および黄色、赤、だいだい色などの「カロチノイド」や、ポリフェノールである赤、ピンク、紫、青、黒などの「アントシアン」、褐色、クリーム色などの「フラボノイド」があります。これらの色素は、活性酸素を除去し、がん予防、動脈硬化予防、心臓病予防、免疫増強、抗アレルギー、血管の保護など多彩な機能性を持って、生活習慣病を予防します。
大豆に含まれているイソフラボンは最近脚光を浴びてきたフラボノイドのひとつで、骨粗鬆症にも効果的とされています。

レシチン Lecithin

レシチンは、リン脂質の一種で、水と油をうまく混ぜ合わせる乳化作用を持つために、古くからマヨネーズ作りに用いられてきました。乳化作用は、コレステロールを血液に溶かして運んだり、血管壁に付着したコレステロールを溶かしたりするため、動脈硬化を始めとする生活習慣病を防ぐうえで効果があります。
大豆は、卵と並んでレシチンが豊富です。

【参考文献:「豆類百科」日本豆類基金協会発行】

店舗ご案内 Store

明治17年、豆の雑穀商であった「角田 政吉」が京都夷川(現在と同じ場所)にて創業。
明治20年に五色砂糖掛豆(現在の夷川五色豆)を考案し、その後、京都駅で販売したことから京都名物となる。
現在、京名物 夷川五色豆をはじめ、こだわりの豆菓子や京銘菓すはまだんご・月しろなど、おいしい豆にこだわった商品を展開。常時30種類以上を販売している。

本店
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